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深野 義隆
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 5(1), p.011001_1 - 011001_13, 2019/01
高速炉は軽水炉と比較して、燃料要素が密に配置されていること、出力密度が高いこと等から、炉心局所事故はナトリウム冷却高速炉の安全評価の中で重要視されてきた。このうち、仮想的集合体入口瞬時完全閉塞(HTIB)事象は最も厳しい結果を与える。既往研究では、SAS4Aコードを用いたHTIB事象の評価が実施されているが、本研究ではSAS4Aコードの出力制御系モデル等を追加するとともに、改良したSAS4Aコードを用いて「もんじゅ」のHTIB事象の評価を実施し、既往研究の結論が変わらないことを確認した。さらに、本研究では、HTIB事象を模擬した4種類の炉内試験を用いてSAS4Aコードの妥当性確認を行った。これによってSAS4AコードをHTIB事象の影響評価に適用することの妥当性がさらに高められた。
深野 義隆
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/07
既往研究では、SAS4Aコードを用いた仮想的燃料集合体入口瞬時完全閉塞(HTIB)事象の評価が実施されているが、本研究ではSAS4Aコードに出力制御系モデルを追加するとともに、改良したSAS4Aコードを用いて「もんじゅ」のHTIB事象の評価を実施した。出力制御系を考慮した結果、出力領域中性子束高、または遅発中性子検出法によって原子炉は安全にシャットダウンされることを明らかにした。したがって、既往研究におけるHTIB事象の影響は流量減少時反応度抑制機能喪失事象と比較して非常に小さいという結論が本研究によって強く支持された。さらに、本研究では、HTIB事象を模擬した炉内試験を用いてSAS4Aコードの妥当性確認を行った。これによってSAS4AコードをHTIB事象の影響評価に適用することの妥当性がさらに高められた。
深野 義隆; 今泉 悠也; 吉岡 尚憲*; 赤堀 央*
no journal, ,
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷起因過程解析コードSAS4Aを用いて、国際共同CABRI炉内試験の解析を実施した。本研究では、いずれも中程度の燃焼度でスミア密度の低い燃料を用い、出力パルスの印加タイミングの異なる3試験を対象に試験解析を行った。本発表では、SAS4Aコードのモデル概要、及び解析の対象としたCABRI炉内試験の概要について説明し、後続の発表で各試験の解析結果について報告する。
赤堀 央*; 深野 義隆
no journal, ,
本研究では、炉心損傷起因過程解析コードSAS4Aを用いて、国際共同CABRI炉内試験のうち、流量減少の後、冷却材沸騰前に出力パルスを印加したLTX試験の解析を行った。SAS4Aコードによる試験解析の結果、過渡時の冷却材温度変化及び過渡後の燃料ピン破損後の燃料の溶融移動等について、試験結果とほぼ一致することを確認した。
吉岡 尚憲*; 深野 義隆
no journal, ,
本研究では、炉心損傷起因過程解析コードSAS4Aを用いて、国際共同CABRI炉内試験のうち、流量減少の後、冷却材沸騰前に出力パルスが印加されたLT4試験の解析を行った。SAS4Aコードによる試験解析の結果、過渡時の冷却材温度変化及び過渡後の燃料ピン破損後の燃料の溶融移動等について、試験結果と良好な一致を確認した。
川田 賢一; 石田 真也
no journal, ,
高速炉の代表的な炉停止失敗事象である冷却材流量喪失時炉停止失敗事象(ULOF: Unprotected Loss of Flow)の起因過程における事象推移を評価・検討した。事象推移を支配する現象に関してCABRI試験等の知見を反映した標準的な評価条件では、即発臨界に至ることはなく、緩慢な事象推移となる見通しを得た。
深野 義隆
no journal, ,
本研究では、ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、シビアアクシデント(SA)に至る可能性のある事象としてその開発当初から歴史的に研究されて来た炉心局所事故のうち、最も厳しい結果となる仮想的集合体入口瞬時完全閉塞(TIB)事象について、原型炉を対象とした評価を行った。その結果、万一TIB事象が発生したとしても、炉心の損傷は限定的であり、安全に炉停止されること、また、その結果の影響はSFRの代表的なSAである炉心流量喪失時原子炉停止機能喪失事象に十分包絡されることを明らかにした。なお、本研究では、出力制御系の影響を考慮したが、損傷の拡大速度等に若干の影響が見られるものの、炉停止までに損傷する集合体数は同等となることを確認した。